目次
給与テーブルとは?基本を理解しよう
給与テーブルとは、社員の等級や評価結果に応じて給与を段階的に設定する賃金表です。
各社員の給与を「等級(ランク)」と「号俸(ステップ)」で管理する仕組みで、たとえば等級が上がると基本給が大きく上昇し、評価によって号俸が上下する構成になっています。
給与テーブルのメリットとは?
給与テーブルの導入には、主に以下の2つのメリットがあります。
- 管理が楽に行える
各等級や職務ごとに号俸(ステップ)が明示されているため、社員にとって賃金体系が分かりやすく、人事担当者も賃金の管理を楽に行えます。 - 人件費の予測がしやすい
昇給に伴う総人件費のシミュレーションができるので、経営計画に沿った人事戦略を立てやすくなります。
一方で、テーブル構造が固定的なため、ベースアップ(賃金全体の引き上げ)や制度改定にやや手間がかかるというデメリットもあります。
運用や管理がしやすいことから、中小企業や人事評価制度を導入したばかりの企業に向いている方式です。
倍率方式との違いは?
「倍率方式」を採用する企業も少なくありません。倍率方式は、基本給に対して「評価ランク × 倍率」で金額を算出する方法です。
ベースアップや制度改定、中途採用者の賃金決定に柔軟に対応できるというメリットがあります。
一方で、社員にとって賃金制度が不透明になりやすく、運用が難しいというデメリットもあります。
倍率方式は主にベースアップや制度改定、中途採用が頻繁にある大企業に向いています。
給与テーブルの作り方
給与テーブルの作成には「構造設計」と「基準設定」が必要です。ここでは、実務上押さえておくべきポイントを紹介します。
下限額の設定
まずは各等級・職種の「下限額(スタート金額)」を設定します。
この金額は、企業の採用競争力や最低賃金、業界相場を考慮して決めることが重要です。
一般的には、最下位等級の1号俸を「高卒初任給」程度の金額に設定し、等級が上がるごとに数万円ずつ増額します。
たとえば以下のような目安が考えられます:
- 一般職:等級差 3万円前後
- 専門職:等級差 4〜5万円前後
- 管理職:等級差 5〜6万円前後
昇給額の設定
次に、1号俸ごとの昇給額を決めます。
この「1号俸」は昇給時の最小単位となり、評価結果によって昇給号数が決まります。
標準的な設計では、B評価(標準評価)で年に2号俸昇給を想定します。
たとえば、1号俸=1,000円であれば、B評価の社員は年間2,000円昇給となります。
目安は以下の通りです:
- 一般職:1号俸=1,000〜1,500円前後
- 専門職・管理職:1号俸=1,500〜2,500円前後
また、年齢給や勤続給を併用している場合は、その分を考慮して設定します。
最大号俸の設定
各階級の最大号俸を設定します。昇給額×最大号俸数がその等級の賃金の幅になります。
一般的には一般職で50号俸を推奨します。
昇給額が大きい専門職や管理職は、号俸が大きいと上位等級の給与に追いついてしまうため、専門職や管理職で35号俸~40号俸にするのがおすすめです。
特別な功労があったら?功労加算について
特別な成果や会社への貢献があった社員には、「功労加算」を設けることも検討しましょう。
通常昇給とは別に号俸を複数上げる、または特別手当として支給するなど、柔軟な対応をすることが重要です。
こうした加算ルールを明示しておくことで、努力が報われる組織文化を育てることができます。
給与テーブル運用時の注意点
給与テーブルは、設計よりも「運用」が重要です。作って終わりではなく、定期的な見直しと分析が欠かせません。
賃金シミュレーション
テーブル導入時は、必ず賃金のシミュレーションを行いましょう。
新しく賃金制度を作成した場合、旧制度で支払っていた賃金と新制度で支払う賃金に差が生まれてしまうことがあります。
この差を放置すると、社員が新制度に対する不満や不信感を抱く原因になります。
賃金のシミュレーションを行い、旧制度と新制度で社員の賃金に大きな差が出ていないか確認し、修正箇所がある場合は数値の微調整を行って最終決定しましょう。
評価制度との連携をどうするか?
給与テーブルの真価は、評価と連動させることで発揮されます。
評価が給与に反映されることによって、社員が自らの給与や処遇に納得することができます。
HRvisでは、予め給与テーブルを設定することで、人事評価の結果を昇給査定・賞与査定に紐づけることができます。
これにより、評価結果から昇給額の算出まで一気通貫で管理でき、社員の評価が給与に反映される体制を実現します。
HRvisで評価制度と賃金制度の一元化を実現!
給与テーブルは、企業の「給与ルール」を見える化し、社員の納得感を高める仕組みです。
評価制度と組み合わせることで、社員のやる気を引き出し、組織の成長を支える強力なツールになります。
「評価と給与を連動させたい」「賃金制度と評価制度を一元管理したい」とお考えの方は、ぜひHRvisの導入をご検討ください。
貴社の人事制度設計を、もっとスマートに、もっと戦略的にサポートいたします。

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