評価段階の設定

人事評価のコンサルティングをしているとお客様に「評価は何段階評価が良いですか?」とよく聞かれます。人事評価でよく使われる評価段階には、3段階・4段階・5段階の評価があげられます。各評価段階の特徴を見ながらどの評価段階が適切かを解説していきたいと思います。
※ここで言及している評価段階は、各評価項目を評価するときに使われる評価段階です。社員の総合評価を出すときの評価段階とは異なる点にご注意ください。

3段階評価のメリットとデメリット

3段階評価は、「優・良・可」や「A・B・C」など3段階で評価する方法です。この評価方法のメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
  • 評価の種類が3つとシンプルでわかりやすい
  • 3つだけなので迷いにくい
デメリット
  • 無難に中央の評価を使ってしまう傾向にある(特に日本人は)。
  • 評価の差をつけにくい
  • 大変良い評価や大変悪い評価をつけにくい。

日本では大学の成績表などでよく使われている評価段階ですね。

4段階評価のメリットとデメリット

4段階評価は、「S・A・B・C」、「優良・良・不可・悪」など4段階で評価する方法です。この評価方法のメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
  • 評価の種類が偶数のため評価のメリハリをつけやすい
  • 良い評価も悪い評価も2段階で差をつけれる(例:「大変良い」「良い」の2段階)
  • 評価が中央に寄ってしまうことを防げる
デメリット
  • 良い評価の差をつける際(例えば「大変良い」と「良い」)、ある程度基準を設けなければその境界の判断が難しい。(悪い評価も同様)

4段階評価は評価のメリハリをつけやすいため、組織の人事評価におすすめです。

5段階評価のメリットとデメリット

5段階評価は、4段階評価に中間評価をつけた評価で「S・A・B・C・D」など5段階で評価する方法です。この評価方法のメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
  • 良い評価も悪い評価も2段階で差をつけれる(例:「大変良い」「良い」の2段階)
  • 良い評価と悪い評価を迷ったときに中間の評価をつけられる。
デメリット
  • 無難に中央の評価を使ってしまう傾向にある(特に日本人は)。
  • 評価段階が細かすぎて選ぶのが難しい
  • 良い評価の差をつける際(例えば「大変良い」と「良い」)、ある程度基準を設けなければその境界の判断が難しい。(悪い評価も同様)

どの評価段階が最も良いのか?

結論から言ってしまえば、各評価項目の評価は4段階評価をお勧めします。日本人はその性格上、評価を無難に付けようとする傾向があります。したがって、奇数段階の評価では中心の評価を無難に使ってしまう傾向があり、評価に差が付きにくく、メリハリがつきません。一方で、人事評価の目的は評価にメリハリをつけて良い点と問題点を明確にし、人材を育成していくことにあります。したがって、評価にメリハリをつけやすい偶数の4段階評価が最適です。

総合評価の評価段階について

ちなみにこれまで各評価項目の評価段階について解説してきましたが、社員の総合評価を出すときはどうでしょうか。これは各社各様ですが、総合評価は賞与査定や昇給査定に使われることが多いです。したがって、賞与査定や昇給査定でどれくらいの差異や段階を設けたいのか、その方針が評価段階の設定に大きく影響します
例えば、総合評価をSABCの4段階に設定した場合、賞与査定の種類は4種類となります。
S:2.4カ月分
A:2.2か月分
B:2.0か月分
C:1.8か月分
といった形になります。
総合評価を6段階にした場合は、賞与査定にもっと幅を設けることができます。
S:2.6か月分
A:2.4か月分
B+:2.2か月分
B:2.0か月分
B-:1.8か月分
C:1.6か月分
といった形です。
この総合評価については、どの評価が最適かは企業の業績や従業員数によるため一概に言えません。各段階のメリット・デメリットを踏まえて設定することとなります。

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