人事労務担当者で『定性評価』と『定量評価』の違いに苦慮していませんか?本記事は適切な人事評価を行うために役立てば幸いです。
目次
『定性評価』って何ですか?
『定性評価』とは数値化できないものに対する評価のことを言います。
人(従業員等)の思考力・判断力やモチベーション等の目に見えない部分は、数値で表すことは大変困難なため『定性評価』を利用し評価します。
ただし『定性評価』は明確な基準設定を構築しづらい点が難しいところですが、人事評価を行う上では非常に重要な要素です。
『定量評価』との違いは何ですか?
では『定量評価』とは何でしょうか?字のごとくですが売上・販売数等、成果が数値化でき目に見える評価となります。基準や目標を明確に設定しやすく評価される側、評価する側も納得しやすいです。
時代は『定性評価』と『定量評価』のW利用!
ざっくりと上記で違いを説明しましたが、どちらか一方だけの活用ではそれぞれの特性により偏りがでてしまいます。
ですので『定性評価』と『定量評価』を上手く組み合わせることにより、適正な人事評価へ繋がります。
EX)
・売上評価=『定量評価』
・受注件数=『定量評価』
・商品知識=『定性評価』
・協調性=『定性評価』
具体的な『定性評価』方法
先に述べたように『定性評価』は数値化できないものと言いました、ですからこそ明確な基準を設けなければなりません。
組織や販売・商品等で変わりますが大きくは以下のような事から始めます。
■目標設定
・組織としての目標
・個人としての目標
※必達レベル・努力レベル等の度合いを明確化しておく(後の分析等に役立つ)
■評価基準(点数設定)
・目標レベルに対して数値化
※EX)必達レベル到達=+1 未達レベル=0 努力レベル=-1
人事における『定性評価』
一般的な企業人事では『定性評価』をする際は、以下(参考例)のような項目設定をしています。
一番重要な事は客観性ですので、どうのように評価すれば良いか確認しましょう。
■業務遂行速度
・業務遂行の速さ
・ホウレンソウ(報・連・相)は迅速か
■創意工夫
・業務改善はできているか
・提案等の発言はあるか
■知識
・製品(商品)知識はあるか
・業界や取引先について知識はあるか
■規律性
・身だしなみや清潔さ
・勤務態度
・整理整頓
■責任性
・責任感の有無
・目標設定に対する行動等
■積極性
・業務に対する積極さ
・振る舞い等は積極的か
■協調性
・チーム内での関係性は良好か
・社内交流やイベントには協力的か
『定性評価』メリット・デメリット
『定性評価』のメリットは以下が挙げられます。
■数値でけでは測れない業務等への評価ができる
■モチベーションの向上に繋がる
間接部門や新入社員等は定量評価が難しい部分になりますが、『定性評価』であれば評価することができます。数字ではない部分を評価することでモチベーションのUPを期待できます。
では、デメリットはどうでしょうか。
■評価基準設定が難しい
■不満が出やすくなる
数値化することが難しい部分ですので、基準を設定することが最大の難関となります。また往々にして評価者の主観が入りやすくなるため、不満が生じやすくなります。ですので最初の設定が非常に重要になります。
『定性評価』のポイント
前述の通り評価者の主観が入ってはいけませんので、主観の排除や考課者の訓練も併せて行ったほうが良いです。
■多面評価の実施
『定性評価』での難しさ(主観の排除)をするには、『多面評価』が有効的です。
『多面評価』とは上司でけではなく、部下・顧客・被評価者本人等が評価に参加する方法です。それぞれの視点(多面的)からみられることにより、客観的に評価をすることができます。上司だけの評価ではなく多面的に見られることで周りからの評価という形に変化し、評価をより客観的にみることができます。
■考課者訓練
『定性評価』で起こる人事考課エラーがあります(評価が不適切に偏ってしまうことを言います)。
・先入観
性別・学歴等で評価に影響を与える
・ハロー効果
一部分が優れていると他も優れていると感じてしまう
・第一印象効果
第一印象で評価を左右してしまう
・近時点効果
直近の評価が一定期間の評価や最終評価に強く影響してしまう
上記にあげた項目の問題は『無意識』に生じてしまうことです。ですのである意味完全には排除することは難しいですが、訓練によりある程度は排除することは可能です。
ですので考課者にはこの人事考課エラーに対する理解と排除のための訓練をしていきましょう。
まとめ
『定性評価』はいかがでしたでしょうか?確かに難しいところもあるのですが人事評価という観点からは、数値化できない部分も評価することができる方法だと思います。
『定性評価』を実施することで人事評価の公平性を向上することは可能ですし、主観に頼らない適切な評価を実現することができます。ただし考課者の主観に左右されないための訓練の必要性と人事考課エラーが生じるということも併せて理解しておくことも大事です。
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