人事評価制度における3大評価基準とは?主な評価項目について解説

2023.12.25

長らく日本では年功序列や終身雇用と言う形がとられてきました、その後最近ではだいぶ増えた能力主義が少しづつですが広がってきているように思えます、その際に必要となったのが人事考課です。

人事考課は業績・個人(社員)評価・報酬・人員配置に至るまでオーバーな言い方をすると企業の成長に直結するシステムです。ですが課題や運用の仕方を間違ってしまうと社員のモチベーションの低下や企業の士気までも落としかねないリスクもあります。

今回は人事考課における3つに分類できる評価基準をご説明したいと思います。

人事考課とは何か

そもそも人事考課とはなんでしょうか?人事考課はある期間内(半年、1年など)での仕事の成果やプロセスを、一定の基準により評価、判断することです。人事異動に始まり昇給・昇格等の査定にも活用されます。

人事考課を行う目的としては主に以下の4点があげられます。

◆適材適所な人員配置(従業員の能力把握)
◆従業員の成長促進(能力・業務貢献の評価)
◆適切な評価で昇給・昇格・役職を与える(モチベーションの向上)
◆企業理念・評価基準の開示および浸透(成果・行動への期待)

給与査定や人事異動等に活用される人事考課は適切な評価でなければなりません。間違った評価をしてしまうと従業員のモチベーションの低下はもちろんですが、会社全体へ波及するおそれがあります。また公正な評価でなければ不満がつのり、退職等につながってしまいます。

3大評価基準と評価項目

人事考課を行う上での評価軸は、「業績考課」「情意考課」「能力考課」の3つに分類されます。

【業績評価】

これは、評価期間内の実績を評価する評価軸です。個人、または組織での達成目標を設計し、

・実績目標達成度:設定した目標に対する実績の達成度を評価(各自や各部署等)
・課題目標達成度:業務における課題をどれだけクリアできたかの評価(課題に必要なスキルアップ等克服すれば成長判断とする)

などを評価します。また、バックヤード業務など成果が計測しづらい業務の場合

・日常業務成果:直接には企業実績等に結びつかない日常業務を評価

から判断するなど、業務内容に合った目標設計と評価を行うことが重要です。

【情意評価】

これは勤務態度を評価する軸です、

・積極性
・協調性
・責任性

などの観点から評価されることが多く、会社の理念やビジョンと一致した行動を高く評価する設計になる場合が多くなります。ただ、評価者の主観が入りやすい項目でもあるため、従業員の不満につながらないよう評価基準をわかりやすく言語化する必要があります。

【能力評価】

この項目では、従業員のスキル・能力を評価します。評価されるスキルは
・保有能力:基礎力(知識や技術、企画力など)
・発揮能力:能力を発揮し、結果に結びつける能力(実行力、積極性など)
・潜在能力:今後将来的に発揮するであろう能力

の3つに分類され、それぞれ評価が行われます。

大きく評価の基準項目を記述しましたが、被評価者(従業員個々・部署別等)に合わせて項目を設定することが肝要です。

◆【情意評価】:勤務態度を評価
業務に対する姿勢や勤務態度の評価を情意評価と言います。実績や業績が良くても勤務態度や素行が悪ければ評価は下がります。

主な評価手法

人事考課の評価手法はそれぞれ企業にあったものを適用させましょう、また部署によっても変わりますので使い分けも有効です。下記の手法は最近活用されている評価方法になります。

◆「360度評価」:多人数から評価される

簡単に言うと上司だけでなく部下・同僚等複数人からの評価を行うことになります。被評価者に対し客観的・公平に評価できます。

◆「MBO評価(目標管理制度)」:目標を定める

別名、目標管理制度とも言われます。従業員の目標設定により、モチベーション維持・生産性向上に用いられます。数値化された目標のため
被評価者も納得されやすい。(最も多く導入されている手法)

◆「コンピテンシー評価」:理想像基準評価

評価・能力・業績の高い従業員等の共通特性を基準(模範・理想像)とした各個人への評価を行う手法。

◆「OKR評価」:連帯感・一体感による目標達成

企業と従業員が共通の目標を設定し、各々の目標達成度を測ることを言います。最大の目標かと部署・チーム・個人に対するサブ的な目標も設定する。

成功へのポイント

人事考課においての成功ポイントは、公平でかつ評価基準を理解し、それを上手に活用することが重要です。人事考課成功へのいくつかのポイントを明記します。

◆評価基準の事前共有

従業員に対し明確化された評価基準を事前に共有することで、本人のモチベーションに繋がります。また事前に共有されたことにより自身への課題・目標等を判断しやすくなります。

◆キャリア別評価項目基準の変更

役職・職能等それぞれに相応の項目と評価基準を設定する、また管理職の評価は変更が必要です。

◆成果へ繋がる評価基準項目設定

企業が必要としている成果とかけ離れた評価基準(項目)では意味がありません。企業の求める人材に近く成果に結びつく項目設定をしましょう。

◆丁寧なフォローアップ(フィードバック・面談)

人事考課後は必ずフォローアップを行いましょう。評価の経緯・上司と部下のコミュニケーション・信頼関係・課題点等さまざまな事柄が後に影響しますので丁寧に行ってください。

明確な基準とて公正な評価

再度も記述になるかもしれませんが、人事考課は企業のみならず従業員にとって非常に重要な業務になります。企業業績・昇給・昇格等すべてに通じます。評価手法を理解しその企業(業種・部署)ににあった項目を設定し明確化・数値化・公平性を念頭に正しく運用しましょう。

各企業にあった人事評価システムの構築なら「HRvis」をご検討ください

「既存の人事評価システムがうまく機能していない」

「既存の評価システムでは、自社の体制に合わせた職種や役職を設定できない」

 

このようなお悩みをお持ちの方には、「HRvis」がおすすめです!

「HRvis」は、人事のプロである社会保険労務士と、システムのプロが共同開発した、クラウド型タレントマネジメント人事評価システムです。HRvisの等級設定機能は等級の名称や定義の設定を可能としており、等級制度の管理ができます。

また、職類ごとに等級の設定ができるため、複数の職類(一般職、総合職、専門職、管理職など)がある人事制度にも対応しており、近年増加傾向にある複線型の人事制度にも対応できます。

ロイヤル総合研究所

人事コンサルティングチーム