研修企画に力を入れるのではなく、OJTの仕組みづくりを

各等級で求められる能力・行動ができるようになることが本人にとっての成長であり、上司にとっての部下育成です。

評価によって現状でできること、できないことを確認し、できないことをできるようにするための教育・育成計画を立て、教育の実施、育成フォローを行い、結果として育成というゴールを達成します。

育成の手段の3本柱

・OJT(On the Job Training)
・OFF-JT(Off the Job Training)
・自己啓発(Self-Development)

この中で、企業の中の人事部・教育担当者が力を入れるのはOFF-JTです。

階層別研修の企画、流行の研修テーマのリサーチ、研修会社・講師の選定、カリキュラム詰め、受講者への告知・案内、当日運営など、さまざまな業務があります。

これはこれでインプットや共通言語化のために必要なのですが、OFF-JTの研修企画・研修実施にいくら力を入れても、社員の成長には限定的な効果しかありません。

研修の効果として、次のような声をよく聞きます。

研修の効果が期待できない

・セミナーや研修は役に立たない。参加させても人は変わらない
・研修と実務に連動性がない
・仕事は現場で覚えるもの
・これまで何度も社員を研修に参加させたが、結局変化も成長もなかった
・研修に参加させた後の2〜3日間は変わったような気がしたが、またすぐに元に戻った
・階層別教育を何度か実施したが、一時的なカンフル剤にしかならなかった
・研修やセミナーで個人がスキルアップしても、それが業績向上や会社成長につながらない

なぜこうなってしまうのでしょうか。

それは、研修はあくまでもインプット(=スタート)に過ぎず、それをどのように実践に生かし、どのように成長していくかという、スタート以降の育成の仕組みができていないためです。これでは研修の効果は限定的です。

0FF-JTに比べて、0JTの仕組みづくりや0JTのレベルアップに力を入れる会社は少ないです。

人材育成につながらない理由

・現場任せ
・無計画・思いつき
・指導者によるバラつきあり
・最低限の業務、作業ができるようになるための指導
・新入社員向けのみが対象

このような0JTのみだと、効果を発揮するのは新入社員や中途入社者が最低限の業務スキルを習得できるようになるまでのごく限られた期間のみです。それ以降の何十年にわたるキャリアにおける成長は偶然に左右され、フタを開けて見なければわからないということになります。

OJTは「あらゆる成長段階での育成」のために必要

なぜこのようなOJTになっているのでしょうか。原因を考えてみると、そもそも0JTは現場主体で行うものなのか、人事部が組織の仕組みとして主体的に関わるのかが曖昧だからです。

現場丸投げになっていないか

①新卒で入社した1年目の社員の0JTについてはある程度人事部が関わる
・入社時教育は人事部で企画・実施
・現場での新入社員受け入れのための0JT担当者向けのトレーニング実施
・現場で0JT実施

②2年目以降は、ほぼ現場丸投げ

場合によっては、入社1年目から現場丸投げということもあります。

0JTが現場丸投げになっていると、0JTの仕組みが確立していないことがほとんどです。つまり、仕組みがないまま、上司・先輩という指導者次第の0JTになってしまいます。

それが継続していくと、人事部が現場での人材育成に口を出すことは難しくなります。

結局、組織としての人材育成の仕組みではなく、部下育成マネジメントがマネージャー個人任せになっているのです。

そうではなく、組織マネジメントの一環として、0JTの考え方、0JTによる育成方法を仕組みとして確立し、上司が部下の成長に能動的にフォーカスして成長を実現できるようにしなければなりません。

目指すべき0JTの仕組み

・新入社員のみならず、あらゆる成長段階が対象
・指導ではなく、育成
・計画的

「0JT=新入社員向け・若手社員向け」という誤解をまずなくしましょう。

次期経営者候補に対しても、次のマネージャー候補にも0JTは必要です。

ということは、作業や業務のやり方を指導するという限られた内容ではないはずです。

全社員を対象とした0JTの仕組みを運用するために、「評価と育成をセット」で捉えましょう。

評価シートやスキルマップなどの評価項目で不足点・ギャップが生じている点を評価で把握した上でそれを今後どのように習得・実践できるようにするのかの育成計画を立て、それを実行して成長を実現させます。

評価制度が仕組みとして運用されている一方で、育成は仕組みではなく個人の力量に委ねられているのが問題です。

「評価と育成をセット」にすることで、育成も仕組み化することができます。




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