業績評価システムの活かし方

2024.02.15

結果よければすべてよしか?

会社として大切に考える方針、ときにはもっと大元の経営理念が単なるお飾りで会社経営において何ら行動指針となっていないというケースが意外に多いのではないでしょうか。

社長が「顧客との長期的な付き合いを大切にし顧客の悩みを解決すること」が大事で「売上は後からついてくる」という趣旨のことを伝えているつもりでも、聞かされる側は「確かに社長のいうことは大事だけど理想と現実はときには食い違ってもやむなし。顧客との信頼関係構築を優先して売上が予算に届かなかったらその責任は現場が負わされるわけだし現実はやっぱり売上優先、これは暗黙の了解事項だなぁ」などと内心思っていても不思議はありません。

或いは「顧客の悩み解決は手段であって目的は売上や利益などの数字だからどちらが優先かといわれればそれは数字」などと思っているのかもしれません。

もちろん数字は大事です。
財務上の要請からどうしても達成しなければならない数字は当然あります。ですが、数字さえ達成すれば何をしてもよいのでもありません。

会社が追求する戦略を推進したり方針に従ったうえで数字も達成することが求められています。

方針は方針、現場がやるべきことは数字、と勝手に割り切っている現場マネージャーは少なくありません。そんなことが長い目で見ると命取りになります。短絡的な数字のみを追及し顧客との関係づくりを軽視し続けていたら中長期的な視点での業績確保は間違いなく危ういものになるでしょう。

掛け声だけでは徹底できない

決められた方針・戦略を推進するための方法論が問題となります。そこで業績評価制度を活かすことになります。

時間を掛けた議論や事前検討に費やした時間は決して無駄ではありませんが、せっかくの方針が徹底されなければ意味がありません。
方針が徹底させるために会社によってはさまざまに工夫をしているところがあります。

例えば、全社の経営方針をもとに組織の上から下に各階層ごとに順番に上長と直属の部下とが車座でとことん話し合ってすり合わせをする会社。
或いは、朝礼や会議の最初と最後など場所を捉えて経営理念と経営方針を皆で確認する会社。
理念にかなった行動をした事例発表をさせている某ホテルの例は有名です。

バランスト・スコアカードとは

これら以外にも、よりシステマチックに戦略や方針の徹底を図ろうとする試みがここ10年あまり大手企業を中心に取り組まれています。
ハーバードビジネススクール教授のロバート・S・キャプランとコンサルタント会社社長のデビット・ノートンによって1992年に発表されたバランスト・スコアカードがそれです。
これは戦略のコミュニケーションツールであり、戦略のモニタリングシステム(進捗を管理するシステム)でもあります。

業績評価の目的のひとつは、組織の構成員を事業が目指す方向にベクトル合わせをしようということです。バランスト・スコアカードのような仕組みを活かしてプロセスを業績評価の対象にしようというわけです。
もともとはアメリカにおいて「短期的な財務数値」を偏重し過ぎたことに対する反省から考え出されたのがバランスト・スコアカードです。

1年間の利益やキャッシュフローなどといった数字ばかりを追いかけた結果、中長期的な視点からの戦略の実行や従業員育成といった課題が後回しにされ徐々に競争力を失い一時期日本企業に席巻されたという苦い経験が背景にあります。

バランスト・スコアカードによる課題解決

少し詳細に箇条書きで整理すると以下のような課題解決を目的としています。

①売上高、営業利益など短期的な財務目標だけを追求する場合、各組織構成員はひたすら部門の短期的かつ戦術的ゴールのみを追い求めることになり戦略の実現に意識をはらうことがなくなる。

②方針や戦略の実現のためには正確なコミュニケーションが不可欠だが、これがうまく行われないと社員たちは方針や戦略を勝手に解釈し独りよがりの対策をバラバラに実施するおそれがある。

③長期的な戦略と短期的な予算管理とが切り離されて別々に行われていると戦略の遂行とは無関係に資金などの資源配分が行われることもある。

④伝統的な業績評価システムでは結果指標である財務指標に偏った評価をするが、それでは結果の妥当性のみを追求しプロセスの重要性が無視されることになる。

そこで、財務的な視点だけでなく財務的な成果をあげるためのプロセスを視覚化し社内外コミュニケーションに活かしたりプロセスが実現しているかどうかをKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)という指標で管理・評価することで戦略の進捗をモニターしようとする仕組みがバランスト・スコアカードです。




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