業績評価システムのフィードバック情報のあり方

2024.02.20

仕事に働きがいを与える条件とは

仕事に働きがいを与える条件についてドラッカーはその著書『マネジメント』の中で次の3つをあげています。
業績評価のひとつの目的である人の活性化を考える場合に重要ですので簡単に説明します。

①生産的な仕事
これには二つの要素を含んでいます。

一つは適度な難易度です。
人は簡単すぎる仕事に働きがいを見出せないものです。

もう一つは意義のある仕事です。
会社の事業成功においてどんな貢献ができるのか或いは社会に対してどんな付加価値を提供できるのか、などといった意義を明確にすることが必要です。

②フィードバック情報
自ら行った行動の結果が迅速に見える状態をつくらなければならない。

③継続的学習
肉体労働と同様に事務労働にも継続的学習は必要です。
知識労働についてはさらに重要である、としています。

これらの中で業績評価システムを考える際に特に注意しなければならないのは、「仕事の難易度・意義」と「フィードバック情報」の二つです。

今回は「フィードバック情報」の目的とリスク、そして情報提供にかかわる留意点を以下に整理しておきます。

ガラス張りにする目的とリスク

管理会計には大きく二つの目的があります。

一つは「事業の管理」です。
事業の計画を立て、課題を迅速に把握して解決したり、適正な資源配分をしたりといった側面です。

もう一つは「人の管理」です。
業績評価システムはその一つの方法です。
人の行動をあるべき方向に向かわせたり、やる気を引き出したり、能力を高めたりといった側面です。

管理会計における「人の管理」の側面においてはフィードバック情報が重要です。
情報の透明性を確保することを“ガラス張り経営”などといって重要な課題として論じられます。

ガラス張りが必要な理由

◆真実の数字を開示しないということは「私は経営者として社員のことを信用していません」と公言しているに等しく、信頼されていない社員が経営者のことを信頼することはあり得ないということです。

◆人は自らの努力の結果がタイムリーに知らされたときに強く動機づけられます。
時間が経過してからではその度合いは小さくなります。
一所懸命やった結果が後伸ばしに評価されてもあまり嬉しくはないでしょう。
また、「見える」は「見て評価してやる」、さらには他人から「見られる状態」でもあり互いに認め合うにもつながります。

◆正しい戦いのためには正しい情報が必要です。
業績の原因について一番詳しいのは現場です。
その現場に情報を公開せずどうして経営改善を図り得るか、ということです。

◆業績管理制度の一つの目的は、経営者的意識を持った社員の育成であり、即ち経営者と同じような情報を与えることは不可欠になります。
それらを怠り「社員に経営者の気持ちなどわかるはずもない」などと嘆いていてもしようがありません。
ただ、そうはいってもガラス張りにするには不安感がつきまとうのも事実です。

ガラス張りに対する不安と解決の考え方・方向性

◇情報セキユリティ。ライバル社に情報が漏れるリスクがある。
限界はありますが、昨今は情報マネジメントの規格(ISMS等)もありマネジメント技術で防げることもあります。
ただ、基本的考え方として、多少の漏洩リスクがあっても開示することによるメリットのほうが大きいと考えるべきだと思います。

◇真実の利益を見せると給与や賞与に対する不満になる。
利益の必要性、借入金の返済、将来のリスクへの備え、成長のための先行投資など、まさに経営者がしっかりと社員に語って聞かせるべき将来展望に関することであり、経営者はこの説明責任から逃げるわけにはいきません。

◇業績が悪い場合社員の不安に繋がる。
こちらに関しても、経営者は社員に対して将来ビジョンを明確に示す必要があるということです。

経営者がきっちりとビジョンを語ることで、社員は将来に対する夢も持て、経営者に対して信頼感も持てるのではないでしょうか。




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